プログラミングが義務教育に取り入れられたり、フリーランスエンジニアとして働く方が増えたりして、プログラミングというキーワードを目にすることが多くなりました。
しかし、プログラミングについて、以下のように悩んだことはありませんか?
- 「何から手をつければいいかわからない…」
- 「プログラミング言語っていっぱいあるけど、どれを勉強するか決められない…」
- 「なんとなく勉強を始めたけど、何のために勉強してるんだっけ…」
- 「なんだか同じようなことばかり勉強しているけど、やり方あっているのかな…」
プログラミングに興味を持って勉強する方が増えていますが、初心者の方は何から手をつければいいか分からなくて、勉強を始めづらいのではないでしょうか。
プログラミングを勉強するためには、なによりも目的を決めることが重要です。
目的が決まっていないと、勉強することが決められませんし、勉強することに対してモチベーションをたもてないからです。
そこで今回は、プログラミング学習の目的の決め方を解説します。
オススメのプログラミング言語についても解説していますので、目的を決めるための材料にもできますよ。
そして、初心者がプログラミングに挫折してしまう理由についても解説。
この記事を読めばプログラミングに挫折することなく、しっかりと目的を定めて学習を進めることができます。
目次
プログラミング初心者は何から始めればいい?目的を決める3ステップ
目的を決めることが重要なことは何となくわかったけど、どうやって決めればいいのでしょうか?
初心者の方にとって、プログラミングは未知の世界だと思いますので、目的を決めること自体が難しいのです。
以下の3つのことを実施していただくと、目的を決めやすいと思います。
- ステップ1:プログラミングでできることを知る
- ステップ2:プログラミングを習得するメリットを理解する
- ステップ3:プログラミングする目的を明確にする
それぞれを解説します。
ステップ1:プログラミングでできることを知る
プログラミングを学習する目的を決めるためにも、そもそもプログラミングで何ができるのか?理解しておきましょう。
プログラミングでやりたいことによって、勉強することが変わってきますし、プログラミングでできることを知らないと、勉強することの選択肢が少なくなってしまうんです。
それに、プログラミングの習得は短期間でできる物ではありません。
関係のない勉強をしたことで、あなたの理想とは間違った方向に向かってしまい、時間を無駄にしてしまう可能性があります。
勉強することを決めることと、選択肢を増やすためにも、プログラミングでどんなことができるか、理解しておくべきです。
身近なものを例にすると、プログラミングを習得すると以下のようなことができるようになります。
- スマホやパソコンで動くアプリが作れる
- パソコンの操作を自動化できる
- ゲームが作れる
- ホームページが作れる
- 電子機器を操作できる
こちらの記事で、プログラミングについて初心者向けに解説していますので、参考にしてみてください。
プログラミングとは?簡単に解説【初心者でもなんとなくわかる!】
ステップ2:プログラミングを習得するメリットを理解する
プログラミングが何でもできる魔法のようなものと思われている方がいらっしゃいますが、専門的な技術ですので、プログラミングを活用した仕事をしない限り、プログラミングを習得しても特にメリットはありません。
ですが、プログラミングを勉強すると、論理的な思考能力や、問題解決能力を習得でき、普段の生活やプログラミングを活用しない仕事にも活かせます。
また、今後IT人材が不足することが予想されていて、2030年には79万人も不足するといわれていることをご存知ですか?
今のペースでIT人材が増えたとしても、ITの需要に追いつけず、人材が不足してしまうことが理由です。
経済産業省によると、IT人材(IT企業と、ユーザー企業の情報システム部門に所属する人材の合計)は現在91.9万人なのに対し、17.1万人が不足していると推計。人口減少に伴い、退職者が就職者を上回ることで19年から先は減少に転じる一方、IT需要の拡大が見込まれるため、人材ギャップは悪化。IT市場が高率で成長した場合、30年にはIT人材数が85.7万人なのに対し、不足数は78.9万人に上ると予測している。
IT人材不足が深刻化、2030年には78.9万人不足に 経済産業省調べ ITmedia ビジネスオンライン
IT人材の需要が高まりますので、プログラミングを習得しておくことで、就職や転職を有利に進められます。
プログラミングを勉強することは、一石二鳥といえるのではないでしょうか。
ステップ3:プログラミングする目的を明確にする
このページを見ているあなたは、何かきっかけがあったから、プログラミングについて調べているのではないでしょうか?
以下のような、あいまいな理由かもしれません。
- 何となく興味があったから
- 理由は分からないけどプログラミングが注目されているから
- お金が稼げそうな気がするから
プログラミングでできることを知って、プログラミングを習得するメリットを理解したのであれば、目的をもっと明確にできると思います。
- 仕事にプログラミングを取り入れて業務効率化したい
- IT業界に就職、転職したい
- フリーランスで自由に働きたい
- 本業以外でも稼げる方法を身につけておきたい
プログラミング学習を始めると、プログラミングすることが目的になってしまいがちですが、プログラミングは手段でしかありません。
プログラミングスキルを習得して、何かを成し遂げることが本当の目的なはずです。
プログラミングすることを目的にしてしまうと、プログラミングするという行為が好きな人でないと続かないので、勉強することに対してモチベーションを維持することが難しくなってしまいます。
あなたが成し遂げたいと思っている目的を明確にして、見失わないようにしましょう。
プログラミング初心者は何から始めればいい?目的を決めたら基礎学習
プログラミングの勉強というと、プログラミング言語の文法を勉強してから、実際に動くモノを作る、ということをイメージすると思います。
ですが、言語の勉強に入る前に、プログラミングについて基礎的な知識を習得しておきましょう。
プログラミング言語の勉強では専門用語がたくさんでてきますし、プログラミングしたものがどうやって動いているのか、基礎的なことを理解できていないと勉強がスムーズに進められないからです。
プログラミング言語の勉強では、基礎的なことは知っていること前提で話が進んでいきます。
難しいところについては解説してくれる場合がありますが、すべてを解説してくれているわけではありませんので、知らないことをその都度調べながら勉強を進めることになります。
ネットで調べれば答えはすぐに見つかると思いますが、調べることがありすぎると、プログラミングの勉強そのものに集中できなくなってしまうんです。
スムーズに勉強が進められなくなると、勉強が嫌になって挫折してしまう原因にもなりかねませんので、事前に基礎的な知識を習得しておきましょう。
こちらの記事で、基礎的な知識を習得できるオススメの書籍を紹介していますので、参考にしてみてください。
プログラミング初心者にオススメの言語
ネットでの検索数を元に、プログラミング言語の人気度をランク付しているTIOBE Indexによると、2021年12月のランキングトップ10は以下の順位になっています。
- 1位:Python
- 2位:C
- 3位:Java
- 4位:C++
- 5位:C#
- 6位:Visual Basic
- 7位:JavaScript
- 8位:Assembly Language
- 9位:SQL
- 10位:Swift
このランキングは世界を対象としているため、日本に限定するとランキングが変わってきますので、日本でプログラミングする場合に限定して、習得しておいて損はしないプログラミング言語を紹介します。
初めてプログラミングを勉強する場合、汎用性の高い言語を選んだ方が、勉強したことを後に繋げやすいので、汎用性の高い言語を選びました。
Python:とにかく迷ったらこれ
TIOBEのランキングでも1位に輝いており、日本に限らず海外でも人気の言語です。
どのプログラミング言語から勉強するか迷った場合には、とりあえずPythonを選んでおけば間違いありません。
プログラミングのやり方は人によって様々で、やり方は一つではないのですが、Pythonは基本的に一通りしかできないように作ることを目標としていて、誰がプログラミングしても同じコードになりやすくできています。
教材によってコードの書き方が大幅に違ったり、他の人が書いたコードが読めない、ということも少ないので、初心者の方でも勉強しやすい言語です。
特に科学技術計算といわれる複雑な計算が得意で、AIやデータサイエンスが注目されたことで、Pythonも注目を浴びています。
AI開発や機械学習、ディープラーニング、データサイエンスを学びたい場合、Pythonの知識は必須になることでしょう。
科学技術計算に限らず、パソコンの自動操作、電子メールの送受信、Excelファイルの処理も得意なため、業務を自動化できることで注目されるようになりまし
た。
プログラマでない人も、業務効率化のために習得していること多くなっていることから、ランキング1位になったと考えられます。
Webアプリやパソコンで動くアプリも作れますので、汎用性が高く、後に繋げやすい言語です。
JavaScript:Webサイトを作りたい人にオススメ
Webページの作成に使用されるため、Web制作に関わりたい方にオススメの言語です。
できればHTML・CSSもセットで勉強しておきましょう。
最も広く普及しているプログラミング言語だと思います。
あなたがご覧になっているWebページのほとんどに、JavaScriptが使われていると言っても過言ではありません。
Google検索で入力された文字列から推測されるキーワードの候補を表示したり、GoogleMapsで地図を拡大・縮小した時に、画面を遷移させずにリアルタイムで地図を更新したり、Webページに動きをつける時に使用されます。
JavaScriptはブラウザで動作するのですが、最近ではブラウザ以外でも動作する環境が出てきており、活用の場が広まっています。
インターネットの発展をささえている言語ですので、今後も需要が大きく低下することはないでしょう。
Ruby:Webアプリを作りたい人にオススメ
TIOBEのランキングでは15位と、ランクは高くないのですが、それには理由があります。
Rubyは日本で生まれた言語でして、海外には現在進行形で普及中のためです。
プログラミング言語のほとんどは海外で生まれたものですので、公式マニュアルが英語で書かれているのですが、Rubyは国産ということもあり、マニュアルが日本語で作成されています。
わからないことをマニュアルから探すことが多いので、日本語で調べられることは大きな利点です。
Ruby on Railsという、Webアプリケーションフレームワークが、Rubyの人気に大きく貢献しています。
Webアプリケーションフレームワークとは、WebアプリやWebサービス、動的なWebサイトの開発をサポートするための部品が集まったものです。
Shopify、初期のTwitter、クックパッドなどが、Ruby on Railsを使ってサービスを実現しています。
Ruby on Railsが、Webアプリを作るために必要な機能や骨組みを提供しているため、あらかじめ用意されている土台を元にコードを書くことでWebアプリを作ることが可能です。
複雑なコードを書くことなく、インターネットが関連する機能を実現できます。
あらかじめ土台が決まっていることから、Pythonと同様に誰がプログラミングしても、同じコードになりやすい言語です。
人によってコードの書き方が変わってくると、勉強する時に混乱する原因となってしまいますので、コードの書き方が統一される点は、初心者が勉強するうえで大きな利点となります。
海外にも徐々に普及していますので、今後需要が増えていくことが考えられますし、日本のWeb開発では最も需要の高い言語ですので、Webアプリに興味のある方は、習得しておいて無駄になることはないでしょう。
Java:Androidアプリを作りたい人にオススメ
プログラマ人口No1といわれている言語です。
Androidアプリに限らず、パソコンで動くアプリも作れます。
環境に左右されない言語ですので、作成したアプリはWindows・Mac・Linuxなど、どのOSでも動かすことができ、汎用性の高い言語です。
WebサイトやWebサービスのサーバー側の処理にも利用されていて、ECサイトや掲示板、SNSなど、インターネットに関連する処理に使われています。
汎用性が高い反面、難易度が高い言語ですので、初心者が最初にJavaの勉強を始めると、習得に時間がかかってしまう可能性が高いです。
事前に別の言語を習得して、プログラミングに慣れた後であれば、難易度が下がりますので、2つ目に学習する言語としてオススメできます。
様々な分野で開発用の言語として選択されることが多いことから、Javaプログラマーの需要は常に高く、仕事につなげやすいことが大きな魅力ではないでしょうか。
世界的にも人気の言語ですし、幅広い分野で需要がありますので、ぜひ習得にチャレンジして欲しい言語です。
Swift:iPhoneアプリを作りたい人にオススメ
2014年9月にリリースされた比較的新しい言語でして、MacやiPhoneなど、iOSで動くアプリを作ることができます。
MacやiPhoneで動くアプリの開発には、Objective-Cという言語が使われていました。
Objective-Cは1983年に誕生した比較的古い言語でして、言語仕様の古臭さ、文法の取っ付きにくさなどの課題があったため、課題を解決したプログラミング言語としてSwiftが誕生しました。
新しい言語ということもあり、さまざな言語のいいところを取り込んでいて、初心者でも読みやすいコードがかけることが大きな利点です。
Swiftで開発する時には「Xcode」という開発環境を用いることが定番になっています。
Xcodeに用意されている「Playground」という機能を使うことで、アプリを作らなくてもプログラミングの動作を確認することができて、サンプルコードの一部だけを動かすことが可能です。
プログラミングの勉強では写経する機会が多いので、勉強しやすい環境が整っていて、初心者でも参入しやすいのではないでしょうか。
プログラミング学習の進め方
最初は独学で始める方が多いと思いますので、書籍やオンラインの学習コンテンツで勉強を進めていきましょう。
ですが、実際どれを選べば良いか迷うと思いますし、具体的な勉強の進め方がわからないと思います。
こちらの記事で、学習の進め方と壁にぶち当たった時の乗り越えかたについて解説しています。
効率よく学習を進めるポイントについても解説していますので、参考にしてみてください。
【プログラミング学習の始め方】学習の進め方と壁の乗り越え方を現役エンジニアが解説
プログラミングの独学は9割が挫折を経験
プログラミングの独学はハードルが高くて、9割の人が挫折を経験しています。
特に、以下のような悩みを持つ方が多いようです。
- プログラミングは難しすぎて理解できない…
- なんとなく勉強を進めているけど、身についた実感がない…
こちらの記事で、プログラミングの独学を無理なく進めるコツを解説していますので、参考にしてみてください。
オンラインのプログラミングスクールを展開している侍エンジニアの調査によると、「不明点を聞ける環境になかった」ことが、プログラミング学習を挫折する原因の第1位となっています。
分からないことを質問できない状況に不安を感じるようであれば、無理に独学でがんばるのではなく、プログラミングスクールに通うことが1つの手段になるのではないでしょうか。
オンラインのプログラミングスクールでは、無料相談や無料体験を開催しています。
就職や転職までサポートしてくれますので、習得したプログラミングスキルを仕事に繋げることも可能です。
まとめ プログラミングの目的を見失わないように学習を進めよう!
プログラミング初心者は何から始めればいいか、について解説しました。
プログラミング初心者は何から始めればいいか まとめ
- まずは目的を決めること
ステップ1:プログラミングでできることを知る
ステップ2:プログラミングを習得するメリットを理解する
ステップ3:プログラミングする目的を明確にする - 目的が決まったら基礎学習をする
- 勉強するプログラミング言語に迷ったらPythonがオススメ
- 挫折したくない場合、プログラミングスクールに通う方法もあり
プログラミングは、あなたの目的を成し遂げるための手段の1つです。
プログラミングの勉強を始めると、プログラミングすることが目的になってしまいがちですので、目的を見失わないようにしましょう。
また、実際やってみないと見えてこないものもあると思います。
メリットとか、効率とか深く考えすぎずに、興味を持ってプログラミングに取り組んでもらいたいです。